リモートワーカー④  海外で暮らしても日本にいるように働ける! 移住ライフを満喫する女性をご紹介。

結婚・移住という人生の節目に、どこでも働けるリモートワークを選択

新倉佳代さん(アメリカ・テネシー州)が、リモートワークで働くことを考えはじめたのは、結婚がきっかけです。ご主人が米国籍の方で、結婚後、アメリカに住むことになりましたが、そこでも何かの仕事を持ち、働き続けたいと思ったそうです。しかし、アメリカでお勤めをするのには、まだ英語力が十分でないと思った新倉さんは、現地にいながら日本語で続けられる仕事として、リモートワークを選びました。

まず、日本にいるときから準備をスタート。お勤めと並行してリモートワークに取り組み、それを移住してからも継続しています。

仕事の内容は、WEB記事の執筆や、企業から受けたレポートの作成作業です。依頼をしてくるお客さまとの窓口になって連絡業務を行ったり、エクセルを使ってデータの加工などを行うこともあります。新倉さんは、これまでIT系企業で働いてきたので、パソコンを駆使するリモートワークでは、ご自分のスキルがそのまま活かせると言います。

天気のいい日はテラスで仕事。どこでも働ことができるリモートワークのメリットを満喫

日本より住宅事情に恵まれたアメリカ。とくに新倉さんが住むテネシー州のナッシュビル近郊は田舎町で、家がとても広いのだとか。そこで、毎日の仕事はリモートワークのための専用の仕事部屋で行っています。

また、昼間の気持ちよい時間帯は、家のテラスに場所を移して仕事をすることも。

「日本でお勤めをしていたとき、お天気がいい日、オフィスに戻らず外で仕事をしたいな、と思ったことが何度もあったんです。せっかく今、自由にどこでも働ける状況になったので、心地よく過ごせる場所で仕事をしています。」

たまに、町中で仕事をしたいと思ったときは、カフェへ。どこへ行くにもクルマを使う新倉さんは、資料などの仕事に必要なものを一式積んでいくので、外出先でも仕事がしやすく、効率もアップすると言います。

自由に働けるからこそ、時間管理が大切。自分に合った暮らしのリズムを作り、趣味や習いごとにも熱中

新倉さんのアメリカでの生活は朝が早く、ご主人が朝の7時ごろに家をでるため、1日が長く感じられるそうです。どのように時間を過ごして仕事をしたら有意義なのか、タイムマネジメントが新生活の課題です。

そこで、新倉さんは、生活にリズムを持たせるため、アラームを設定しながら仕事をするように工夫。12時にはアラームのベルがなると切り上げ、しっかりランチをとって休憩するなど、管理をするようになりました。

時間を決めて集中することで、プライベートに充てる時間が増えていった新倉さん。そこで始めたのが、英会話教室に通うこととテニスです。また、夕食後にご夫婦で遊びに出る時間を、より充実させることができました。

リモートワークでは人と直接対面して話す機会が減ってしまいますが、家の外に出る機会を増やし、スポーツや習い事をすることで、よい気分転換になると言います。

また、英語が上達したら、生活や仕事の面でも大いに役立ちます。海外事情をリサーチする仕事など、仕事の領域を広げていきたいと考えています。

リモートワークの先進国・アメリカ。日・米の会社と仕事をして、領域がさらに広がることに期待

現在、新倉さんは、日本の企業から仕事を引き受けていますが、今後は、アメリカの同様の企業とリモートワークで仕事をすることも視野に入れています。

「土地が広く通勤の時間がかかるアメリカは、リモートワークの先進国で、仕事の件数も内容も日本より豊富なんです。今後、英語力がアップしたら、アメリカ企業によるリモートワークもぜひやってみたいですね」

日本でも海外でも生活の支えになり、新しい領域にもチャレンジできるリモートワーク。新倉さんは、自分にぴったりの仕事として、これからも続けていきたいと考えています。

リモートワーカー③  お勤めをしながら空いた時間を有効活用する“複業”派の女性をご紹介。

好きな“音楽”を仕事にするため、働く時間が柔軟なリモートワークをスタート。

浦野有加さん(東京都)は、昼間に勤務をしながら、アフターファイブや休憩の時間を活用して、リモートワークで働く女性です。

浦野さんに仕事の転機が訪れたのは、約3年前。偶然ミュージシャンのマネジメントをする機会を得ることができました。フルタイムではなく随時受ける仕事でしたが、大好きな音楽に関わるこのチャンスを活かすため、これまでの働き方をチェンジ。会社での働き方を、正社員から時間調整がきくフリーランスへ変えて両立を図ろうと思いました。

しかし、フリーランスになると最初は収入が減ることになります。そこで収入を補完するために選んだのが、空き時間を使って働けるリモートワークです。

昼休みやアフターファイブの時間を有効活用し、1日に複数の仕事をアクティブに実行。

勤務時間が柔軟になった浦野さんは、その後、縁のある人からの仕事の誘いを受け、現在は、3社で日替わりのスケジュールで勤務をしています。

その仕事の種類は、語学教育の会社での日本語レッスンコーディネート、NPO法人で経理、外資系企業でプロジェクトアシスタントや事務と、それぞれ異なりますが、「一緒に仕事をしたいと声をかけていただけるのが有難く、期待に応えたい」という気持ちを持って働いています。

昼間は働いているため、リモートワークを行うのは、移動中、昼休みと夜です。担当している仕事は、約40人のリモートワークで働くスタッフの管理業務で、メールやチャット、電話会議で連絡を取りながら、企業から依頼された案件が速やかに、またよりよい品質で進行しているのか確認をします。昼間の勤務があるため、対応が遅くなる場合もありますが、その事情をスタッフの皆さんがあらかじめ知っているので、進行上、特に支障はないと言います。

旅先でもいつも通りに仕事ができる。場所にとらわれず働けるのがリモートワークのメリット

浦野さんが始めた音楽の仕事は、今では範囲が広がり、アフリカ系のミュージシャンのマネジメントのほか、音楽フェスや音楽を通じた地域イベント、国際交流事業にもかかわるようになりました。

音楽フェスが開催されるシーズンには、地方に行くこともたびたびあるといいます。そんな時に実感するのが、どこででも仕事ができるというリモートワークのメリット。パソコンやスマホを持っていれば、旅先の移動時間などで仕事ができるので、「リモートワークで働いていてよかった」と実感するそうです。

複数の仕事を平行に行うパラレルワークを実現。

一つの職業、一つの会社にこだわらず、やりたい仕事を並行して行う、浦野さんのようなワークスタイルの人を“パラレルワーカー”と呼ぶのだそう。ただ、そのような働き方だと毎日が慌ただしいのではないでしょうか。

その点を聞いてみると、リモートワークに費やす時間は短くて1日1時間、休日などは5時間程度なので、体力的にも無理はしていないのだとか。また、異なる仕事を並行して行うことでよい気分転換になっており、リフレッシュできるのだそうです。

リモートワークが普通の働き方になる時代へ。

浦野さんが、リモートワークを実際に体験してみて感じたのは、“広がりのある仕事”だということ。自分の住んでいるエリアから遠く離れ、地方や海外など遠隔地にいる、多様な人たちとつながることができ、自分の視野が広がっていくと感じています。

浦野さんの周囲ではリモートワークに関心を持つ人も多く、「これから、もっとさまざまな仕事がリモートワークに対応し、この働き方が普通になる時代が来るのでは」と期待しています。

リモートワーカー②  やりたい仕事が2つあるなら両方にトライ! Wワーク派の女性をご紹介。

育児をしながら、以前からの夢をかなえて起業にチャレンジ。在宅でできる2つの仕事で収入を得るリモートワーカー

仁束真麻さん(福岡県)は、保育園に通う2人のお子さんを育てる女性です。お勤めをしながら育児に取り組んでいましたが、お子さんが病気がちであったことから、フルタイムの勤務との両立が難しく、退社をして在宅でできる仕事に切り替えたいと考えていました。
その時、思い出したのが、特技であるクラシックバレエに関する仕事をしたいという昔からの夢。ちょうどそのタイミングで、バレエをもとにしたエクササイズを教える仕事があると知り、さっそく講師の資格を取得。自宅で教室をオープンする準備を整えていきました。

特技を活かした仕事には夢があるものの、正社員時代に比べて、収入が安定するのか不安なものです。レッスンや家事・育児の合い間に働くことができ、これまでの事務職での経験が活きる仕事を探す中で、リモートワークで行う事務の仕事に出会いました。
当初は、会社に勤めながら、副業としてリモートワークトライアル。引き受けた仕事は、企業から発注されるレポート作成で、この仕事が順調で自信がついたことから、8年間務めた会社を退社しました。
本格的なリモートワーカーとして働き始め、約半年たった現在の仕事の内容は、企業から依頼される仕事をスタッフに割り振り、どのように進めるか指示をする管理業務です。スタッフの皆さんの作業がはかどるように仕事の方法を提案するなど、プロジェクトのリーダーのような役割を担っています。

在宅の仕事は柔軟にスケジュール調整ができるのがメリット。異なる2つの仕事を持ちながらも、余裕とハリのある暮らしを実現

育児・家事と仕事との両立だけでも大変なのに、2種類の仕事を抱える生活は、慌ただしくはないのでしょうか。
仁束さんが、一日に働く時間は平均して6時間で、レッスンのある時はリモートワークの事務の仕事を短めにして、レッスンのない時間帯に集中して働くように調整。休憩をしたくなったら料理を作るなど、家事を行うことで気分転換を図ります。2つの仕事とも在宅で行えるので、お勤め時代によく感じていた時間に追われるストレスや、お子さんが病気になった時の預け先の心配がなくなったそうです。
また、ご本人いわく、性格が「セカセカとしているタイプ」だそう。異なる仕事を並行して行うことで、行動的な自分の特性がより発揮され、生活にハリが出てきたとおっしゃいます。

2つの仕事を抱えていても、以前より時間と気持ちに余裕が生まれた仁束さん。得られた時間は、お子さんとのコミュニケーションに充てています。とくに充実したのが、夫婦と子供が全員そろう夕食後の時間帯。以前は、一日の終わりごろには疲れ切ってしまい、遊び相手をすることがしんどい日もあったそうですが、今では家族みんなが楽しみにする時間になっています。

直接会うことができないからこそ、丁寧な仕事が必要。リモートワークを始めたことで、事務のスキルやコミュニケーション能力が向上。

在宅で仕事を一人でしていることのデメリットは、お勤め時代のように職場の人から仕事を教わったり、新しい情報を得ることができないこと。そのため、もっと幅広い知識を蓄え、レベルアップしたい!という気持ちが自然と湧き、仕事にハリが生まれるといいます。

また、コミュニケーションのほとんどは、メールやチャット経由で行われるので、意思疎通がしっかりできるよう、注意を払っているそうです。お客さまや仕事仲間と顔を合わせる機会がないからこそ、仕事はよりていねいに。意識を高く持って仕事に臨むことで、仕事のスキルも向上しているといいます。

場所や年齢にかかわらず働けるリモートワークが、今と未来の夢をサポート

仁束さんが、ご主人とともに将来の夢として描いているのが「海外移住」。子供が巣立ったら、気に入った国で暮らしたいと考えているそうです。まだ漠然とした憧れの段階であるとおっしゃいますが、その夢に現実性を与えてくれるのがリモートワーク。能力や経験があれば年齢に左右されず、老後、どこに住んでいても仕事を続けることができます。
今の夢であるエクササイズ教室、将来の夢である海外移住。どちらも支えてくれる自分にぴったりの仕事として、リモートワークこれからも続けていきたいと考えています。

リモートワーカー①  3人のお子さんを育てながらパソコンやスマホで仕事をこなす女性をご紹介。

パソコンを使うことでさまざまな仕事ができるようになった現在、オフィスに行かなくても、自宅やカフェなど、自由な場所で自由な時間に仕事をする「リモートワーク」が可能になってきています。

そこで、今回から、この新しい働き方を実現している、リモートワーカーの皆さんをリポートしていきます。

登場するのは、子育てをしながら在宅で働く女性や、叶えたい夢を持つ女性たち。なかには、海外にいながら働く人もいます。子育てや住む場所といった問題を軽々と飛び越えて、いつでもどこにいても自分の能力を磨き、マイペースで仕事を続ける。新しい働き方で自分らしい生き方を実現している皆さんをご紹介します。

家族との時間を大切にするために、会社を辞めてリモートワークを選択

ご主人と3人のお子さんとともに毎日食事をするダイニングテーブル。そこを仕事場にして、在宅で仕事をしているのが岡川佐知さん(東京都)です。仕事の内容は、翻訳や企業がSNSで発信する投稿の原稿執筆やプロジェクトの管理業務など。クライアントや他のスタッフとの連絡にはメールやチャットを使い、顔を見ながら話をしたいときは、ビデオ通信アプリで意思疎通を図っています。

岡川さんが、リモートワークを選んだ理由は、「家族優先」の暮らしのためだといいます。その大きなきっかけとなったのが、2011年に発生した東日本大震災。子どもが小さいうちは、できるだけそばにいて安心のできる暮らしをしたいと考え、勤めていた会社を退職しました。さらに、ご主人の仕事の関係で海外転勤をした時、慣れない環境で過ごす家族を自分がサポートしてあげたいという思いが強まり、パソコンを使って在宅でできる仕事を探し始めたのだそうです。

子育て中でも、自分の能力を活かし、新しい仕事にもチャレンジ

在宅で働く仕事を探しはじめたのは約5年前。その頃は、デザイナーなど専門職の求人ばかりで、外資系企業で秘書業務や事務をしていたご自分の経歴を活かせる仕事は、どんなに探してもなかったのだそうです。しかし、2年くらい前から、リモートワークを取り入れる企業が増加。それとともに、求められる人材の幅が急速に広がり、事務経験者が活用されるようになってきました。

リモートワーカーを募集している企業から、仕事を受け始めた岡川さん。まずは、英語力を活かして翻訳の仕事を開始。さらに、経験したことにない新しい分野にもチャレンジし、企業がSNSで発信する投稿の原稿執筆の仕事もスタートさせました。

家でも外出先でも仕事が続けられる。暮らしと仕事が自然に融け合ったライフスタイルを実現

お子さんのそばにいたいという気持ちで始めたリモートワーク。そのため、仕事をするのは、フルタイム勤務より少ない1日に4~5時間程度にご自分で調整しています。仕事をするかたわらでお子さんが遊んだり、宿題をしたりすることが、岡川家の暮らしのスタイルとして定着。お子さんのお稽古ごとに付き添って外出する時も、スマホで仕事のメールをチェックする体制にしているので、外出先でも途切れることなく仕事をすることができます。

リモートワークにしてよかったことは?と聞くと、「育児だけでなく家事にも余裕が生まれたこと」だと教えてくれました。以前は1週間分のまとめ買いをしていたのが、今では毎日買い物に行き、新鮮な素材や旬の素材を買えるように。日々のメニューを考えることや料理が楽しくなり、暮らしがより充実してきたそうです。

リモートワークを初めて約2年。担当する仕事の中で、最近増えているのが、起業したばかりの小さな企業からの依頼です。従業員を雇う代わりに、岡川さんのようなリモートワーカーに仕事を頼むというケースが増えているのだそうです。働く場所は離れていても、夢を持ってスタートした企業のサポートになることは、大きなやりがいになるのだとか。社会の役に立っている喜びや、一緒に成長できる楽しみがあると言います。

ライフステージに合わせて、働き方を次々とチェンジ!マイペースで働けるリモートワークは、育児中だけでなく、老後の仕事としても可能性大。

在宅で働くスタイルにより、育児と仕事の両立を図っている岡川さんですが、育児が一段落したら、再び勤めに出たいという希望も持っています。また、人の寿命が100歳近くに伸びると言われる中、老後も働くことが可能であり、その時に無理なく働ける仕事として、再びリモートワークを選びたいといいます。

時代はどんどん変わって、リモートワークで行う仕事の領域や方法も、いずれ変わるかもしれません。その時にも、リモートワークで自身の能力を発揮できるよう、仕事のスキルや経験をこれからの人生で身につけたいと岡川さんは考えています。

60歳からパソコンをはじめ、80代でアプリ開発に挑戦。若宮正子さんから学ぶ、人生100年時代の思考法

みなさん、若宮正子さんをご存知ですか?

80代でアプリ開発を行う女性として、海外メディアに取り上げられることも多い若宮正子さん。なかでも、アップル社 ティム・クックCEOとの対談は大きな注目を浴びました。

高校卒業から働いてきた銀行を60歳で退職した若宮さんに待ち受けていたのは、家族の介護でした。外でおしゃべりするのも出かけるのも大好きな若宮さんは、不安と寂しさでいっぱいだったそうです。なぜなら、介護を始めると、外に出るのも自分の時間を作ることも難しいと考えていたからでした。

若宮さんはある日、運命を変えたといっても過言ではない雑誌の記事に出会います。「パソコンを使えば外に出なくてもいろんな人とおしゃべりができる」と書いてあったそうです。「これだ!」と思った若宮さんは、当時高価だったパソコンを退職金で衝動買いし、外と繋がりを持ち始めました。そして、介護と好きなおしゃべりを両立させ、日々を充実させていったのです。

彼女の行動力と少しの勇気が、第二の人生を大きく変え、その後もエクセルアートやアプリ開発、あのTEDにも出演するなど、活躍の場を広げています。

人生100年時代に必要なことは

若宮正子さんのご活躍から「とりあえずやってみよう!」という意欲を持ち続けることが大切なのだとわかります。寿命が長くなり、人生100年時代と言われる昨今、定年を迎えても残り40年は、自由に過ごせます。

若宮正子さんのお話を聞くと、何かを始めるのに遅すぎることはないんだと思いませんか?「おもしろいものがあるとすぐ飛びついちゃう」という若宮正子さんの好奇心や考え方に、私たちも負けてはいられません。

人生をより豊かにするヒントをミライカレッジで

ミライカレッジでは、人生100年時代をどう生きるか…ヒントになるような活動を行っています。自分らしい人生を実現させるための講座やワークショップ、イベントなどを多数ご用意しています。

働き方もそう、暮らし方もそう。人生100年時代におけるライフデザインをどう描くか…一緒に考えてみませんか?

(画像出典元:60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。/若宮正子著/新潮社刊)